blog
2023/10/08 06:17
世界に3億人以上のプレイヤーがいると言われるバックギャモン。このバックギャモンの魅力を最大限に味わうために欠かせないのが「バックギャモンボード」です。確かに、オンラインサーバやアプリを通じてバックギャモンを楽しむこともできますが、リアルなボードを挟んで対戦相手と向き合ってプレイすることで、バックギャモンというゲームの奥深さをさらに体感できます。
バックギャモンボードには形状、大きさ、材質、装飾など多種多様なバリエーションが存在します。そのため、初心者の方はどのボードを選んだら良いのか悩んでしまうかもしれません。ボードゲームカフェや日本バックギャモン協会が主催する公式大会などでボードを実際に目にすることができると、ボード選びの良い参考になります。しかしながら、実際にボードを見ることができる場所が近くにないという人も少なくないと思います。
そこで、バックギャモンボード選びで迷っている方のために、あなたに最適なバックギャモンボードの選び方のポイントを紹介します。ルールを覚えたての初心者の方で「まずはリアルなボードで遊んだほうが楽しそう」と考えている方や、アプリにハマって「そろそろリアルボードデビューしたい」と考えている方にとっても参考になるのではないでしょうか。
ちなみに、小さい画面でのオンライン対戦に慣れている方が、リアルなバックギャモンボードでプレイする場合に、ボードの大きさに慣れていないためにうっかり見落としをしてしまうことも多いそうです。公式戦で対面でプレイする前には、友人やプレイスポットでの対戦を通じて準備しておきたいところですよね。また、相手の同意があれば、公式戦でもマイボードでのプレイが許可されることが多いです。お気に入りのボードを自慢することができるほか、慣れ親しんだボードでのプレイは精神的にも安心感があるため、マイボードを持つことをオススメします。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ボードの形状について
まず、バックギャモンボードの形状について説明します。形状にはいくつかのバリエーションがありますが、持ち運びに便利な「アタッシュケース型」が主流となっています。外出先でのプレイをメインで考えている場合は「ロールアップ型」も選択肢として考えられますが、一般的な使用にはアタッシュケース型が最もおすすめです。
アタッシュケース型のボードには「持ち手(ハンドル)」がついており、半分に折りたたんで持ち運びすることができます。プレイ時にはこれを広げて使用します。
そして、一般的なバックギャモンボードの基本セットには、以下の道具が含まれています。
・ボード本体
・チェッカー30枚(2色、各15枚)
・ダイスカップ2個
・ダイス
・ダブリングキューブ
廉価なボードにはダイスカップが付属していないこともあるため、購入の際はセットの中身をしっかり確認してください。また、セットに含まれているダイスは通常、高精度なプレシジョンダイスではないため、公式戦でプレイするためには別途購入が必要な点もご注意ください。
ボードの両側には、ゴールしたチェッカーを収納するための長方形の溝(ストレージ)が設けられています。また、ダイスカップやキューブ、ダイスを収納する溝があるボードもあります。これにより、持ち運び時に道具が散らばらないようになっていて、とても実用的です。
ちなみに、素材がすべて木のウッドボードは、持ち手がないもの、両端のゴールの溝がないもの、LサイズやMサイズといった規格に従っていないサイズのものなど、形状やサイズが多種多様です。
それでは、以降で「大きさ」「材質」「デザイン」「ブランド」の順に、バックギャモンボードを選ぶ際のポイントを解説していきます。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
選ぶポイント①: 大きさ
バックギャモンをプレイする場所や持ち運びの頻度に応じて、適切なサイズのボードを選ぶことが大切です。基本的に、大きければ大きいほど操作性は良いですが、外出時に持ち運びたい場合は、コンパクトで軽量なボードがおすすめです。
サイズは大きく分けて、縦の長さが約53cm(21インチ)の「トーナメントサイズ」、約47cm(18.5インチ)の「Lサイズ」、約38cm(15インチ)の「Mサイズ」、そしてその他のサイズに分けられます。その他のサイズとして、Mサイズよりも小さなSサイズや携帯用サイズがあります。
トーナメントボード: 縦 53cm x 横 63cm(閉時 31.5cm)ほどの大きさ。便宜上、「Lサイズ」と表記されていることもあります。その名の通り、大会のトーナメントで使われるような大きなボードで、競技大会での使用に適しています。すこぶる快適にプレイできるサイズであり、上級者も満足できるでしょう。
Lボード: 縦 47cm x 横 57cm(閉時 28.5cm)ほどの大きさ。十分快適に遊べます。トーナメントサイズとMサイズの中間ということで「3/4サイズ」と呼ばれることもあります。
Mボード: 縦 38cm x 横 47cm(閉時 23.5cm)ほどの大きさ。このサイズは持ち運びに特に便利です。限られたスペースでのプレイにはこちらのサイズが最適です。しかし、大きなボードに慣れている方には、盤面がやや狭く感じ、操作性に不満を感じることもあるかもしれません。
Mボードよりもさらに小さいサイズのボードも人気があります。チェッカーにマグネットが付いているミニサイズのボードや、ロールアップ式のトラベル用ボードなどがあります。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
選ぶポイント②: 材質
ボードの材質は、重さ、チェッカーの滑り、ダイスの転がり・跳ね・音などに影響を及ぼすため、プレイ体験に直結します。すべてが木で作られているウッドボード以外では、フレームと盤面(プレイ面)の材質がそれぞれ異なります。プレイ体験を重視するなら、盤面の材質は特に重要です。
【フレームの材質】
木(ウッド): 美しい装飾やイメージが表面にプリントされているものが多く、装飾品やインテリアとしても人気なのがウッドボードの特徴です。
ファイバーボード: 木材チップを繊維化して成形した軽量の板材で、住宅建材や家具などにも使用される品質の良い素材です。中密度木質繊維板(MDF)とも呼ばれます。ファイバーボード製のボードの外側(外装)には、耐久性、質感、および美観を向上させるために、合成皮革(フェイクレザー)が貼られていることが多いです。ただしその性質上、水や湿気に弱いという欠点があるため、湿気の多い場所での長期保管は避けるのが賢明です。
金属: 例えば、「P-40」というブランドのボードはフレームが金属製でしっかりとした作りになっていますが、その分少し重く感じるかもしれません(本体重量 4〜5kg)。
【盤面(プレイ面)の材質】
木(ウッド): ダイスが転がりにくいので小さめのダイスを使うのがよいでしょう。ダイスが「カンカン」と当たる音がうるさく感じる方もいるので、家庭で使用する場合には注意が必要です。ニス加工がされていて、手入れも容易です。
フェルト: ダイスの転がりやチェッカーの滑りが良く、音も静か。クッション性があるため、たまにダイスが跳ねて外に飛び出すこともありますが、それも御愛嬌。
コルク: 少し硬めのコルク素材を使用したボードは、ダイスの音を低減し、チェッカーをスムーズに動かすことができます。
合皮・レザー: 肌触りが良く、チェッカーの滑りも良好です。ジュースなどの液体をこぼすと急いでケアが必要になるのは注意が必要です。ポイントが縫い付けられているタイプのボードでは、チェッカーを移動させる際に引っかかることがあるので、その点も要注意です。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
選ぶポイント③: デザイン
デザインの好みは人それぞれ異なります。バックギャモンボードはインテリアや装飾品として愛されている側面もあり、シンプルでクラシックなものから、伝統的でエキゾチックな雰囲気を持つもの、モダンで目を惹くデザインのものまで、さまざまなデザインのものが存在します。これらの中から、自分のスタイルや好みに合わせて選ぶことが、バックギャモンボードを楽しむ醍醐味のひとつと言えるでしょう。
ボードを選ぶポイントは、外側のデザインだけではありません。盤面(プレイ面)には、細長い三角形の「ポイント」が24個、二色に分けて配置されています。プレイする盤面の色合いやデザイン、さらにポイントの色や形状によっても、ボードの個性が表れます。したがって、ボードを選ぶ際には、これらの要素もとても重要な判断基準となります。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
選ぶポイント④: ブランド
世界中には多くのバックギャモンボードメーカーが存在します。意外にも、高級ブランドであるHERMES(エルメス)やLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)などもバックギャモンボードを製造しています。しかし、日常的にバックギャモンを楽しむのであれば、多くのプレイヤーからの支持を受けているメーカーのボードを選ぶことをおすすめします。その理由は、それらのメーカーが長い歴史の中でバックギャモンプレイヤーからの数多くの要望や不満を取り入れ、誰もが快適に遊べるボードを作り上げているからです。例えば、計算され尽くしたクローズアウトの「ピッタリ感」は、バックギャモンを深く理解し、そこにこだわったメーカーでなければ実現できない要素と言えるでしょう。
それでは、価格帯ごとのおすすめボードメーカーと、代表的なおすすめボードを紹介します。
【2万円以下の低価格帯のボードメーカー】
世界的に知名度のあるメーカーとしては、ドイツのPhilos社が挙げられます。ウッドボードや、盤面がフェルトのファイバーボード製ボードを中心に、初級者から中級者向けの幅広いラインナップのボードを手頃な価格で提供しています。中でも、ファイバーボード製の「Philos Mボード」や「Philos 3/4ボード」は初・中級者向けの定番中の定番ボードといえるでしょう。
【5〜10万円の中価格帯のボードメーカー】
この価格帯の人気ブランドとしては次のメーカーが人気です。特に、トルコの「869BG」のボードは「Erhanボード」の愛称で知られ、日本バックギャモン協会主催の大会での優勝賞品に何度も選ばれるほどクオリティが秀逸です。「M-Gammon」は同じ中東でもイランのブランドで、長く安心して使える素晴らしいボードを提供しており、少し派手なデザインが特徴です。「Crisloid」(クリスロイド)はニューヨーク州ブルックリンで創業した世界的なゲーミングサプライヤーで、美しいデザインと手触りが特徴のコルク製ボードを提供しています。また、「Hattrick」(ハットトリック)は本革を使用しているのが特徴の高級ボードメーカーです。
・869BG
・M-Gammon
・Crisloid(クリスロイド)
・Hattrick(ハットトリック)
【10〜20万円の高価格帯のボードメーカー】
世界中のトッププレイヤーから高い評価を受けている、高価格帯のボードメーカーを紹介します。これらのボードは、機能性と美しさを兼ね備えたまさに芸術品です。プレイスポットに持ち出せば、他のプレイヤーの羨望のまなざしを浴びること間違いなしでしょう。
・Backgammon Galaxy
・P-40
・Gammoner
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
まとめ
安いバックギャモンボードは数千円で手に入れることができますが、大きな高品質のボードだと数万から数十万円するものもあります。初めてバックギャモンを始める方は、高額なボードを購入する必要はありません。手頃な価格のものでも、バックギャモンの魅力を十分に味わうことができます。まずは、小さめのボードからスタートし、その後に満足できなくなってきたら、大きめのボードの購入を検討するというのが良い選択かと思います。
なお、国内のバックギャモンプレイヤー向けのアンケートによれば、102人のうち84人(約82%)が1台以上バックギャモンボードを所有しており、平均所有台数は2.4台でした。このデータからもわかるように、多くのプレイヤーが複数のボードを持っていることが伺えます。ゲームとしての魅力はもちろん、コレクションとしての魅力もあるので、2台持ちや3台持ちというのもひとつの楽しみ方です。
ボード選びの際、材質やブランドなどの要因を考慮することは大切です。しかし、最も重要なのは、自分のプレイスタイルや好み、そして予算に合ったバックギャモンボードを選ぶことです。当ショップでは世界各国から多種多様なボードを取り揃えていますので、複数の商品を比較して、最も自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓